2人の子供を育てたシングルマザー看護師
加藤スズ(47歳・看護師)・離婚当時のスペック
32歳
子供2人。小学生、幼児(当時)
実家バックアップなし
養育費なし
元夫の酒ギャンブル借金DV浮気のフルコンボで離婚。
子供2人を一人で育てることに。
復職に失敗。
パートで仕事を掛け持ちするも…。
人生のドン底へ。
その後、職場に恵まれ、生活が安定しだす。
子供2人が社会人に。
子育てを終える。
シンママはムチャクチャ大変だった。
貧困ギリギリ地獄のような生活も経験した。
だけど去年、子供2人が無事社会人になった。
一時期は劣悪な環境だったと思うけど、子供達は真っ当に育ってくれた。
と、色々思い出していたら、自分のシンママ生活を誰かに話してみたくなった。
だからここに書く。
苦しんでいるシンママに読んでもらえると嬉しい。
私のシンママ失敗談1
私は元夫の問題行動で離婚した。子供は小学生と保育園児。
私は清掃のパートをしていたが、正社員での復職を考えた。
色々悩んだ結果、以前の職場へ復職することに。
総合病院の病棟だったが、慣れ親しんだ職場が働きやすいと思った。
でも当時のメンバーはほぼ残っておらず。
まったく別の職場だった。
独身者が多く、シンママには肩身が狭かった。
時短、夜勤免除の負い目もあった。
そのうち独身者の不満の矛先に…。
フリーだったのが部屋持ちになり、時短で帰れなくなった。
残業で19時帰宅がデフォに。
保育園に着くのは夜20時。
よく怒られた。
悪いことは続くもの。
子供だけの留守番中、長男がポットのお湯をひっくり返して大火傷。
たまたま近所の方が異常な鳴き声に気が付いてくれ、119番してくれた。
連絡を受けた時の恐怖は、いまだに忘れられない。
火傷の跡は今も残っている。
本当に申し訳ないと思った。
最低な母親だと思った。
その後、職場を退職。
・教訓
シンママの正社員は職場の理解が不可欠。
独身者が多い職場は避けるべし。
失敗談2
その後、近所のクリニックにパートで勤務。自宅から10分で時間的には楽になった。
でも金銭的にはかなり厳しくなる。
手取り14万円ほど。
手当やボーナスも無くなり、貯金がほぼ無くなる。
子供の給食費を払えなくなる恐怖。
看護師以外の仕事を掛け持ち。
ファミレス、パチンコ屋の清掃、ガソリンスタンド。
朝5時に出て、23時に帰ってくるような生活。
合間に子供の送迎や家事。
1日の睡眠3時間ほど。
この頃は働いた記憶しかない。
この生活を5年続ける。
そんなある日、通勤中に子宮に痛みを感じた。
生理が終わっていたのでおかしいと思ったが、痛みが激痛になり立っていられなくなる。
うずくまっている所を、通行人の方が119番してくれた。
救急車の中。
痛みに苦しみながらも「今日は仕事を休める。寝られるかも」なんて考えていた…。
診断は若年性更年期障害。
体はボロボロだった。
・教訓
パートは経済的に詰む。
3つめの職場
無理なく、安定して、稼げる仕事を探した。運よくそうした職場に巡り合えた。
800床の総合病院。
シングル支援に力を入れている病院だった。
24時間保育(中学生までOK)
シングル向けの寮。
時短、夜勤免除、異動希望の優先などの制度もある。
シンママは離職率が低く、勤続年数も長い傾向があるらしく、病院のメリットが大きいのだとか。
こうした病院はとても働きやすい。
配属先は回復期病棟だった。
子供を預かってもらえたため夜勤ができた。
月収が40万円を超えた。
ボーナスを含めた年収は500万を超えるようになった。
師長もシングル(昨年定年退職 公私共に本当にお世話になった)、主任もシングル(現師長)、同僚もシングルばかり。
シンママへの理解がとても高かった。
気兼ねなく働けた。
寮に入った。
シングル世帯がほとんど。
交代で子供を預かりあるようになった。
これはかなり助かった。
保育園や学校からの呼び出しも、休みの誰かが代行してくれる。
私は子供が大きくなった今でも誰かのお迎えに行っている。
それは恩返しでもあり、意外と楽しくもあるのだ。
・教訓
自分を歓迎してくれる場所で働こう。
立場の弱いシンママなおさらの事。
一人で戦う代償?
私は、一人で戦ってきた。でもそれは間違いだった。
助けてくれる家族、もしくは仲間が必要だった。
もちろん一人で戦うこともできる。
けどそれは「子供を犠牲にする」という意味でもある。
生活の苦しさは「子供が背負う苦しさ」だから。
仲間を作るには?
シンママ仲間がいると生活が本当に楽になる。仲間が多くなるほど、メリットも大きくなる。
助け合いがしやすくなり、利益がどんどん大きくなる。
シンママ仲間を作るには、病院寮がベストだと思う。
沢山の仲間を作れるし、既にコミュニティがあるし、近所だから助け合いが本当に楽。
仕事、家庭、子供など、全ての悩みを相談できるから、精神的にも非常に助けられた。
「ここが無かった死んでた」とシンママ仲間。
その気持ちはよくわかる。
本当にそうなっていたかもしれないから。
ほどよく手を抜く
完璧を目指してはダメ。80点くらいが自然と長続きする。
例えば子供の食事。
今の時代、冷凍やお惣菜も美味しい。
「手料理を作ってあげたい」それは自分のエゴでしかない。
家事はルンバ、食洗器、洗濯乾燥機をフル活用。
子供の余暇は大人が楽すること。
例えばシンママ仲間がいれば、誰かが子供たちを遊びに連れていけばいい。
子供達は勝手に遊んでくれる。
シンママ仲間なら経済力も似ているから、お金がかからない配慮もしやすい。
ほどよく手を抜くのは大事。
完璧な母親を演じる必要なんてない。
余力を作り、それで子供と笑顔の作った方がよっぽど良い。
便利なサービスを頼る
世の中にはいろんなサービスがある。まずは子供を臨時で預かってくれるサービスも準備しておくこと。
民間、公共いろいろある。
1時間1000円ほどでお高いが、いざという時に便利。
NPO系は子育てを終えたスタッフさんが多くて安心感あり。
あとは転職エージェント。
職場を探すときに優良。
転職エージェントは、なぜか悪いイメージがあり、看護師の利用者が少ない。
だからライバルが少なく、良い求人が狙いやすい。
ハローワークやスマホ求人で消耗してたのがバカらしくなるくらい良い仕事があった。
今のシンママ寮の病院も転職エージェントが勧めてくれた。
「この病院はオススメです。どうするかはお任せしますが、絶対に一度は内見したほうがいいです」と言われていた。
本当にその通りで人生が良い方向に変わってくれた。
追記)
「どの転職エージェントを使いましたか?」といくつかご質問を頂いたので。
私は「看護roo!」というサイトに登録した。
https://www.kango-roo.com/
今は看護師向けのスマホアプリも作っている会社。
医療特化の会社なので、エージェントさんの知識量が多く、転職のイロハを色々と教えてもたえた。
看護師不足のためか、シンママでも大歓迎してくれたので一度は登録してみてほしい。
まとめ
シンママは孤独。助けを求めない限り、誰も助けてくれない。
だから「助けて」と言える勇気が必要。
「助けて」と言えたら誰かが助けてくれる。
世の中はそんな感じ。